学会・研究会トピックス
国際学会レポート:国際ベーチェット病学会
2021/1/22 ISBD Webinar on Behçet’s Disease and COVID-19
英国グリニッジ時間の13時から16時(日本時間22-25時)、国際ベーチェット病学会主催のベーチェット病とCOVID-19感染症に関するウェブ会議が開催されました。
Robinson教授のリウマチ性疾患とCOVID-19の概論に続き、各国から全体的な感染状況を踏まえ、COVID-19罹患ベーチェット病患者の状況について報告され、日本からも桐野洋平(横浜市大)が自験例を報告しました。桐野からは報告時点で把握しているコロナウィルスに感染したベーチェット病患者は1例のみで、この症例も軽症であったことを報告しました。各国のコロナウィルスに感染したベーチェット病患者の状況が共有されましたが、概ね重症となるベーチェット病の患者さんは他の膠原病より少ない印象とのことでした。この理由としてベーチェット病の患者さんが普段から感染症に気を付けていること、病気自体の特性の可能性などが議論されていました。
総合討論では、これまでの症例についてその詳細を検討するというよりも、今後のこと、すでに一部の参加者の国では開始されているワクチンの効果と安全性が話題の中心でした。ワクチン接種時のベーチェット病に対する免疫抑制療法の可否につても討論され、他のリウマチ性疾患と同様、生物学的製剤を含め特に変更する必要はないという見解でした(報告者注:他のリウマチ性疾患では、リツキシマブ投与中の患者についてはコロナワクチンを控えるべきか議論があるようです)。
また、英国のベーチェット病患者も参加し、パンデミックの中のロックダウン等で、医師との対面診察や採血検査を半年以上できておらず、病気を抱えながら高度に拘束された生活の中で孤独感と不安感を涙ながらに訴えられ、だだ、傾聴するのみで、もどかしい思いでした。この会議の詳細については近日中に論文化される予定です。
(報告者 桐野洋平、岳野光洋)